このように思うのです 1
 



 活発な活動をされているNPOは、受けている寄付の額も多いですが、それよりも増して収益事業収入がはるかに多い傾向にあると思います。また、受ける寄付が限りなくゼロに近いNPOは収益事業も極端に少ない傾向にあると思います。ここに相関関係があることが分かります。

 以前、キャピタル関係の仕事をしていた時に、寄付について上場企業の担当者と食事を交えて話す機会がありました。担当者ははっきりと言い切りました。自社にとって何らかの利益を生まない活動には寄付はしません、とです。寄付する判断基準は、どの団体が社会貢献度が高く有意義な活動をしているか、という判定ではないのです。商品に社名シールを添付できる、ボランティア活動を社員教育に利用できる、自社の営業サービスを利用してもらえる、など利益還元率の高いものから順に選択して役員会へ書類をあげるわけです。
  担当者は報告書を提出しなければなりません。寄付したことによりこれだけ多くの効果が自社に還元されています、とです。ですから、寄付を受けることイコール、或る意味で企業の利益に加担していると言えますし、企業の思惑に合致せざるを得ない状況に仕向けられる懸念が付きまといます

 金額上の大小では上場企業が寄付者側のほとんどでしょうが、中にはかつての私がそうだったように、やっとの思いで稼いだ利益の中から寄付する例もあるわけです。ところが、『寄付は所得控除の対象になります』とばかりに、寄付はあなたにとって利益を与えるものなのに何を躊躇しているのですか!のごとくに迫ってくる方もいらっしゃいました。これは完全に勘違いしている人だと思います。所得控除にはなるけれど、寄付者側が個人であれ会社であれ本来あるべき己の金が大幅に減少することに違いは無いわけです。お持ちいただく寄付は、経営者と従業員が、あなたに代わって労働した汗と涙の善意の結晶であることを忘れないで欲しいと願ったものです。

 もう一点気になったことがありました。話の流れで私が、『それだけ雄弁で熱心に会社を回るファイトがあるならば何か商売(事業)した方が近道ではないですか』と、投げかけたことがありますが、『自分たちは慈善団体であり商売などとんでもない』と、いう返答でした。その方たちの言葉の中に、金儲け(事業)のような非道徳的なことなど自分たちのような慈善家・善人はしないのです、というニュアンスを強く感じ取れたのです。
  経営者が金を儲けることに一生懸命でなければ従業員の方々にどうやって給料を支払えるのでしょう。金儲け(事業)に熱心だからこそ税金を払えるのですし多少の余裕を持って寄付もできるわけです。金を儲けること、儲けようと必死に努力することが道徳に背くことであろうはずはありません

 企業に対して寄付をお願いしているNPOでありながら、一部のNPOの方はビジネスを(まるで悪事のように)忌み嫌う傾向にありますが、世界中の総ての国は経済活動により成り立っていて国や地方自治体から受ける助成金も元をただせばビジネス活動の結果徴収された税金なわけです。

 私はNPOを『非営利目的組織』というように営利と組織のあいだに目的という言葉を入れて呼んでいます。これは、NPOは儲けてはいけないのだと勘違いしている人が多いからです。
  NPO法の第5条で収益事業はやっても良いですと認められています。ですから、非営利目的組織とは、営利を第一の目的としてはならないが、社会貢献のためならば収益事業をすることは大いによろしいです、ということであり、その先には、株式会社は利益を分配しますがNPOは社会貢献に利益を使用するわけですから、利益を翌年に持ち越せるという特例処置がとられているのだと私は理解しています。

 NPOには収益事業が認められているのですが、実際的には、営利を専業とする株式会社ですら生き残るのに困難な時代ですから、NPOが社会貢献活動と平行して一般企業並みに事業収益をあげる、ということは至難の業であり、殆どのNPOは収益事業まで頭も手も足もまわらない、という状況だと思います。
  また通常の場合、収益事業には多額の資本が必要であり、一歩間違えば負債地獄に陥る危険性も含まれている訳ですから、おいそれと不慣れな事業には手を出せない、出すべきではないと判断するのが通常だと思えます。

 そこで殆どのNPOが理想とする形態は、社会福祉法人のごとく行政から業務を受託する道だと思います。これは確かに活動の質と実績が認められたという勲章の意味は大きいと思うのですが、(大変語弊のある言い方で申し訳なく思いますが)いわゆる餌付けされる現象を危惧してしまいます。定期に入ってくる収入には絶対的な魅力があります。それを失うことは物理的にも精神的にも大きな打撃であるはずです。気がついた時には、行政に右倣えの下請けになっていて、発足時にあった価値ある志や独自性がかすれてしまっている可能性は否めないと言いたいのです。
  これは行政からの受託事業を完全否定しているわけではありません。相手を説得するためには、対峙するのではなく友好関係でいるほうが圧倒的に効果が高いことを私は知っています。行政といつでも話し合える接点を維持するための受託事業には大賛成なのですが、餌付けされてしまうような現象を避けるためには別途に独自の収益事業が必要であると結論付けたいのです。

  NPOは事業ですから本来は『中・長期事業計画』を策定して進められるべきものだと思うのですが、寄付や助成金は期待するほど集まらないのが通常ですし、且つそれらの収益は中・長期事業計画の立案にはふさわしくない不安定収入なわけです。活動を大きく展開されているNPOはこれら不安定収入では計画性ある事業が困難なことを充分に認識されているからこそ危険を承知で石橋を叩きながら収益事業に相応の努力をされていることと推察できます。

 NPOにとって、基幹となる安定的収益事業を持つことは、いわばライフラインとも言える生命線だと思えますが、かといって儲かり法にさえ触れなければどのような業を営んでもよいのだ、という訳にはいかないと思います。掲げる社会貢献事業と全くかけ離れた業を営むことにより初期の志から逸脱する可能性が出てくるからです

 社会貢献という言葉はかなり広義に使われています。上場企業は勿論のこと、或る規模を越えている経営者と話しますと、大概は己の企業の存在そのものが社会貢献であると仰います。社会から必要とされているから存続できて成長できている。これぞ社会貢献である、という論理です。
  福祉についても同じようなことを仰います。抱えている従業員に対して、企業責任を前提に収支のバランスを考慮しながら実施している。つまり保養所を提供するのも厚生年金や雇用保険を負担するのも福祉であると定義付けしています。
  これらが的を射た考えであるかどうかは別として、社会貢献である、福祉であるという看板をもってして、NPOが収益事業の税金を免除して欲しいと主張するのは、一般の経営者たちの耳には『甘え』としか聞こえていないのではないか?と思えてしまうのです。
  NPOの存在意義を理解しNPOの発展を願う私は、一般企業と同等に肩を並べられる収益事業を創出・展開し同率の税金を納めて胸を張りたい気持ちでいます。
  また、介要者の方々に対しても納税することにより人間本来のプライドを大きく育てて欲しいと願っています。

 Angel Wave事業は収益事業でありながら、特別な設備や初期投資を必要としません。万が一、計画どおりに進まない場合にも負債を抱えるなどの危険性はありません。そのような事業システムに組まれているのです。また、Angel Waveを開始したがためにNPOの志が疎かになることも考えられません。むしろ繰り返される研修により仲間が増え結束力が増すであろうと私は信じております。
  このような事業は今まで無かったと思います。誰かが最初の一歩を踏み出さなければならないのです。他の人が成功したら、、ではなく、あなたにその一歩を踏み出していただきたく私はこれを書いているのです

 

 

 









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